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昭和な家再生物語・東京国分寺の家


この物語は次のようなメッセージで始まりました。 2018/02/14

東京国分寺市の築62年の実家の件で

オカムラアトリエさま はじめまして。 福岡の西亭さんに紹介され、オカムラアトリエさんの存在を知りました。築62年の実家をオカムラアトリエさんに、相談に乗っていただきたく思います。 よろしくお願い致します。 T.K.

この昭和な家は、昭和31年築、その後、昭和52年に2階を増築、更に、平成初頭に台所を増改築しています。 昭和31年時の部分は、土壁で貫構法と筋違いで建てられていて、その後の増改築は、筋交い構法で、合板類が普及した時期での増改築が施されています。 自然素材が多く使われている昭和31年部分の方が傷みが少ない。時代が新しいほど傷みが酷いのです。やはり、伝統的な構法の家の方がこの国の気候風土に合っているようです。

このような状況での耐震補強をも考慮した昭和な家の再生です。

2018/04/24~25

この昭和な家に会いに行ってきました。 昭和31年の平屋の家に、昭和52年に2階を増築、そして、平成?になって台所を増改築。 耐震をさほど考慮せずに増改築を繰り返してきた、どこにでも存在する「昭和な家」です。

メモ

この家のある国分寺の防災マップによると、立川断層帯の近くで震度6の可能性を想定している地域です。 地震はいつ来るかわからないし、耐震補強は完璧なものは出来ないこと。なので震災にあって家が倒壊しても生き残れたら良しとすることを前提にします。命を守ることが前提です。

2018/06/08~10

作業を始める前に氏神さまにご挨拶です。熊野神社にて。

先ずは耐震補強をします。地震はいつ来るか解からない。 暮らしながらの耐震補強なので、ひと壁ごとの補強になります。 先ず、荷物の片付られる、収納できる物置を設けます。 この棚をひとつつくるだけで収納力はぐっとUPします。使える収納棚を設けます。

今回の補強は、2階を増築(昭和52年)した1階(昭和31年)部分の補強です。押入れの壁を剥がしこの部分を補強することにします。押入れの内側に張ってある薄いベニヤを剥がし、下地を補強して針葉樹構造用合板を張っての補強です。 補強したのちにこの押入れの部分を点在している食器棚をここに集合させることにします。

2018/06/22~24 今回は和室の押入れの壁を耐震補強します。 2階を増築するときに、1階を補強せずに増築しているので、今回の補強はこれを主な補強です。 和室6帖の押入れの壁を補強する 1)押入れの中段を撤去(押入れの壁は漆喰塗り) 2)漆喰の壁に針葉樹構造用合板12mmを張ります。その上から30X40X2000の胴縁をビス止めします。 3)押入れの側面の壁も同じように構造用合板を張ります。 4)内部に板(ファルカタ材)張りにして、ハンガーパイプを取付けてクローゼットに・・・・。(ファルカタは桐と同じく木ではなく、草に属する植物で成長が早い。桐の代用として私はよく利用しています。) 5)襖を戻して作業は完了です。物入れになっていた押入れがクローゼットに代わり、部屋を狭くしていた洋服タンスが無くなり、和室6帖は広く使えるようになりました。

庭木の手入れ 庭の梅の木が生茂って気になっていたので、今回急遽、剪定することにしました。

広縁の奥に物置を設ける 散在するモノを1か所にまとめるところを確保する。縁側の奥の壁を補強することを兼ねて物置を設けることにしました。

メモ 暮らしながらの再生は、片付、掃除、モノの移動等々を繰り返すことになり、さらに慣れない作業もすることになるので、体力も必要で、2~3日が限度です。それと何より家族全員のチームワークが大切です。

広縁の収納棚の改修

既存の収納棚の薄いベニヤ板を剥がし、針葉樹構造用合板12mmを張って、中途半端な筋違いをも含めて補強します。 右の壁は土壁と筋違いの壁(昭和31)と、左の壁は板壁(昭和52)の増築部分

広縁に物置を設ける

広縁の奥に窓があるので、この窓を開けると風が良く通るので、格子で仕切ることにします。 物置の内壁にも針葉樹構造用合板を張って補強します。

2018/08/29~31 台所の食器棚をつくる

既存のクロス張りの下地はプラスターボード張りで、さらに、その壁のもとは土壁に漆喰塗りでした。下地を見つけて針葉樹構造用合板を土壁の貫までをビス止めしました。さらに、棚板で壁の変形を抑えるようにしています。 地震時に食器が飛び出さないように既存のガラスの引き違いを再利用しました。

メモ 耐震補強は、100%安全なものなどありません。自然の猛威は半端でないことを知っておくことが大切です。

塗装は天然素材の柿渋塗りです。食器棚なので化学塗料は使わないようにします。

庭に柿の木があるので、柿渋を仕込むことにしました。3年後が楽しみです。

2018/10/05~08 押入れ、物置を活かしての耐震補強。 台所にある、押入れを針葉樹構造用合板12mmを張っての補強です。棚板にも壁の補強を補佐する役目を持たせています。

引出しをつくる 要らなくなったタンスの引出しを加工する。

玄関の建具を洗って柿渋を塗る。 お気に入りの家具をリメイクする。 格子戸に柿渋塗り。

2018/11/27.28,29 ダイニングの壁の補強。 プラスターボード張りの壁を剥がし、下地をつくり直し、針葉樹構造用合板張りにする。

ダイニングの格子戸づくり

(つづく)

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