黒木町(福岡県八女市)に移住するお二人のための古民家再生です。この古民家のある笹原は八女茶発祥の地(霊巌寺)と云われていて、周りには石垣の美しい茶畑が見られるところです。
この古民家は築140年になるようですが、定かな築年は不詳です。この古民家も同様ですが建築当初のままではなく、かなりの増改築が繰り替えされてきたようです。茅葺きから瓦葺きへの改築、カマドからコンロに、土間から床へと変革、が大きな出来事だと思います。
「家は暮らしに併せて進化する」です。 CATSURA Project この古民家のオーナーは、この国が大好きで、このプロジェクトを「KATSURA」にするほどの英国人の写真家とそのパートナーです。
再生作業1回目
2017/11/03~05
きょうから始めます。3連休を利用してのDIYでの再生です。取り敢えず引っ越し出来る状態にします。そして、引っ越し後は、暮らしながらの再生とします。
今回の再生も土間の復権からです。
天井のボードを剥がし、梁や柱を覆っている化粧ベニヤ板を剥がします。剥がせば煤けた黒々とした梁が現れます。床板(化粧合板)と床組を撤去します。
床板と床組を撤去し、土間にします。
「剥がせば古民家」です。
剥がした下地材は再び利用します。利用出来ないものはストーブの燃料として使います。
「捨てればゴミ、活かせば資源」です。
今回の再生も、この黒木町に移住するお二人とその仲間たちでのDIYによる再生です。
再生作業2回目 2017/11/23~26
今回の作業(その1) 仮設のストーブを取り付ける 本格的な冬の到来に備えて、仮設ですがストーブを設置することにしました。 現場に連泊しての作業なので、現場での賄いづくりにも役立ちます。勿論、燃料は解体撤去した再利用できない廃材です。 ストーブの上には、焼き芋用の釜です。
このストーブを取り付けるため、ホームセンターの「ハンズマン」に立ち寄る。 そこで、FBSの「めんたいワイド」の取材を受けました。取り付けるところを取材させてほしいとのこと。
限られた取材時間内に取り付けることになり、慌ただしい作業になりましたが、無事火入れ式まで出来ました。
今回の作業(その2)
基礎石に替える
土間にするために床板を剥がすと、柱の基礎がコンクリートブロック(CB)だったので、基礎石に取り替える作業です。 基礎石設置後、インスタントコンクリートで塗り固めます。石の半分位が土間で隠れるように設置高さを決めました。
土間になるところの柱の基礎は、全てCBの基礎から基礎石に取替えました。 この家の基礎は、基礎石の上に柱を建てる伝統的な構法で建てられています。その構法に準じたものに統一することにしました。 この家は平屋の茅葺の家だったところから、暮らしの変遷とともに、2階に増築したり、瓦葺に変更したりしていて、建設当初からかなり、構造的にバランスが悪くなっているようなので、残せる柱、壁はできる限り再生して、補強するようにしました。 今回の作業(その3) 台所の床、天井の撤去
前回の作業の続きです。ここを撤去すると土間にする部分がすべて撤去完了です。 床の大引、根太は再利用します。束などは再利用しにくいのでストーブの燃料にします。床板は化粧合板でブヨブヨしていて処分するしかありません。工業製品が如何に経年に耐えられないかがよく解ります。自然材との差が歴然です。
見た目だけの建材(工業製品)は、結果的に自然に負荷が掛かるゴミを増やすだけなのです。
(つづく)
この古民家の再生の様子はfacebookでもご覧頂けます。
古民家Dr.ムラのにわか大工塾
「にわか大工塾」では、DIYで、古民家を再生する体験ができます。