築90年の解体処分される薬院の古民家の床の間を、筑紫野の針摺東の家に移築する物語です。 実家の古民家を解体するのを機会に、その古民家の床の間を移設して、蒐集している骨董品を飾れる、床の間付きの和室をつくり替えたいという依頼です。
2022/04/02
薬院の古民家 近日、解体が決まっていて、それまでに床の間を救出したいということで、解体業者さんの現場作業の休みの日曜日に、床の間を解体することにしました。
2022/04/10
床柱、床板、落掛、違棚、地袋、天袋、長押、書院の建具等々を取り外す。 壁は小舞竹編みの土壁の伝統的なつくりです。
解体後の床の間(左)、床の間の部材を筑紫野針摺東の家へ。
移築先の筑紫野針摺東の家は、大型スーパーやホームセンターなどがある新興住宅地の一画にあります。
築20年の家の2階の和室の床の間と入れ替える作業です。
2022/05/07 きょうから針摺東の家での作業始めます。
取替える床框、地袋、落掛け、等々を撤去します。
この家の構法が、2×4でつくられているようで、床の間は床の間の部材(合板にプリント印刷したもの)をビス止めしてあって、見せかけの床の間でした。
あすは、この床柱(人工床柱)を撤去して、薬院の家から持ってきた本物の床柱と入れ替えます。
2022/05/08
解体された薬院の古民家(実家)の床柱を移設。
床柱の新旧です。 筑紫野 針摺東の家(築平成)の床柱(左)と、薬院の古民家にあったのを移設した床柱(右)
2022/05/09
作業3日目。
違い棚と地袋の設置 薬院の床の間(伝統的な書院造りの床の間)では、地袋その上の違い棚と別になっていたが、針摺東の家では、床の間の間口(幅)が小さいので、地袋と違い棚を一体にすることにしました。
2022/05/10 左官屋さんの下地塗りに何とか間に合いました。 いつものことですが、古材を再利用するのは骨が折れます。反りや歪みをどこで吸収させるか。新旧を混ぜ合わせて違和感の無いものにするか。等々です。
平成築(ツーバイフォー造)の床の間が、築90年の古民家の材に入れ替えることによって、壁のプラスターボート以外は全て天然木材に代わりました。
きょうから左官さんが入り、部屋の壁下地、あすは、床の間廻りの壁の下地塗りが始まります。
2022/05/13 壁の左官仕上げ、出来上がっていました。
2022/05/14
床の間の移植 薬院の床の間の本格的な書院造りは、間口も変わっての移築なので、この築平成の家に全て移築するのではなく、薬院の古民家の一部分をパッチワーク的にこの平成の和室に再現することにしました。
移植前の床の間(左)、移植後の床の間(右)
面影を移植 平成の家の床の間に、薬院の古民家の床の間を移設し、解体された実家の面影をも移植する。 地板、床柱、床框、落とし掛けは全て薬院のと入れ替える。 地袋、違い棚は薬院の床の間のものをアレンジ。 壁はビニールクロス貼りから塗り壁に変更する。
その他、薬院の古民家の座敷の長押、欄間、戸板等も、移植することにする。
傷があっても、歪み反りがあっても、本物に入れ替える。それは、深み、重みを感じるのは自然素材の放つチカラであり、重厚感が滲みでる。人工的なものは、いくら頑張っても自然素材のもつチカラには勝てない。 出来上がった床の間がそれを証明してくれる。 もてなしのためにその飾られるモノにも影響を与えるような気がする。
2022/11/19 きょうの作業
2階の和室を収集した骨董を展示するギャラリーに・・・・・。 骨董に照らす照明(スポットライト)を取付ける枠を考えてみました。枠の材は薬院の実家の古民家の座敷にあった長押を再利用してつくることにしました。「捨てればゴミ、活かせば資源」です。 作業前(左)、作業後(右)
座敷にあった長押を加工して照明の枠づくりです。
照明は後日(一週間後)の取付けです。
照明が取付けられ、和の床の間、李朝の家具等に、時の染み込んだ骨董たちがどのように輝くのか楽しみです。
2022/11/26
照明器具の取付け
照明器具が取付き、早速、軸など掛けてみる。
つづく
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